前回は簡単ですが、腹筋を鍛えるより腹圧が大事というお話をしました。
今回はこの腹圧の続きの話です。
リハビリの分野だけではなくスポーツの分野でも体幹が大事とよく言われますが、その部分がこの腹圧の部分になります。
字のごとく体の幹なわけで、身体の土台部分になります。
腹圧は風船のようなもので、適度に膨らんでいるから身体を支えられています。
逆にこの腹圧が低下していると、土台が不安定ということになります。
土台が不安定ということは、手足を動かそうとしても踏ん張りが効かず過剰に力が入ってしまいます。
手足も重く感じてしまいます。
例えば、つるつる滑る足元やグラグラする場所で身体を動かそうとすると無意識に体に力が入り滑らかに動くことは難しくなりませんか?
そういった余分な力が常に入ってしまう状態が続くと、ケガをしたり腰痛や肩こりなどの体の不調につながってしまいます。
また、パフォーマンスの低下にもつながってしまいます。
歩行に関しても不安定さであるとか、滑らかに動けない要因にも関係してきます。
脳卒中でうまく動けない方や怪我をしやすい方などにもこの腹圧の問題が大きく関わっていることが多いです。
では、腹圧を低下させる要因はどんなものがあるのでしょうか。
例えば、食事(冷たい物、刺激が強い物、糖分の過剰摂取など)、生活習慣、手術、病気(脳卒中など)、ストレス、疲労、膜組織が硬くなるなど様々な要因によって腹圧を低下させてしまいます。
また、不快な感覚や痛みなどを意識するだけでも低下させてしまいます。
脳卒中で片麻痺の方などは、いい方の手足に依存し、手先に過剰に力がはいいている状態も影響しますし、運動の際に何かにギュッと強く握った状態での運動も腹圧の働きを低下させてしまいます。
現代社会において欠かせない、パソコンやスマートホンなど長時間使用(凝視)した際にも腹圧に影響してきます。
これら全部を気を付けることはかなり難しいことです。
その為、腹圧を高めてくれる運動を行ったり、いい状態の身体(柔軟性のある身体、固定部位が無い)を作っていくことが大事になってきます。
