今回は前庭器について簡単にお話したいと思います。
前庭器ってあまり聞いたことない方が多いと思います。
三半規管という言葉は聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
この半規管(三半規管)というのは前庭器の1つなのです。
前庭器にはもう1つありそれは耳石器というものになります。この2つを前庭器と言います。
耳の奥の方にこの前庭器はあります。

働きは、主に半規管は回転速度を検知し耳石器は直線加速度、傾きを感知する働きがあります。
例えば、頭の傾きを無意識的に感知したり、進んでいる方向や速さがわかる、つまずきや突き飛ばされたことをとっさに感知したりします。
この前庭器の働きが悪くなると、バランスや歩行に影響したり、めまいなど身体の不調にも影響することがあります。
ここで宇宙飛行士の話を少ししたいと思います。
宇宙飛行士が地球に帰ってきた直後は、うまく歩けないというのは聞いたことあると思います。
それはなぜでしょうか?
筋力が低下したから?
それも多少はあるでしょうが、宇宙飛行士は宇宙に滞在中は毎日2時間半程度の筋力トレーニングを毎日行っているそうです。
ある宇宙飛行士は「筋力は、バーベルを上げたりする良い運動機器が宇宙ステーションにあるおかげで、比較的良く保たれている」と発言されています。
ということは筋力だけの問題ではなさそうですね。
そうです。ここで前庭器が関係してくるのです。
前庭器の機能は回転速度や直線加速度(重力を感知)、傾きを感知します。それらはバランスをとるために必要な要素です。また、前庭器は下肢の伸筋に信号を送ります。つまり足で支える信号を送るわけです。
宇宙では地球と違い、重力がありません。それにより宇宙では前庭器に刺激が入らないのです。特に重力を感知する耳石器に刺激が入りません。そうすることで前庭機能が低下してしまいます。その為、地球に帰ってきたときに重力に対応できずバランスをとって歩くことが難しくなるわけです。
これと同じようなことが地球にいても起こる可能性が私たちにもあるのです。
この続きは次回にお伝えできればと思います。
