インタビューシリーズの第5弾になります。 今回は、特別施術のSKIT(スキット)についてインタビューしてみました。
特別施術者にインタビューをしてみました ~パーキンソン病臨床編~
特別施術者にインタビューをしてみました ~小脳性運動失調編~
特別施術者にインタビューをしてみました ~小脳性運動失調編②~
質問「SKIT開発の経緯を教えて下さい」
特者「言葉でコミュニケーションできない超重症といえる患者さんへの治療介入がきっかけでした」
質問「寝たきりということですか」
特者「動けない以上に、治療として関わる事が難しいケースになります」
質問「療法士泣かせですね」
特者「言葉や接触で介入できないので、場合によってはリハビリの適応がないとされてしまいますね」
質問「どうやって治療的に介入していくのでしょうか」
特者「徹底して気持ち良く安心できる感覚を入れていくようにします」
質問「難しそうですが・・・」
特者「患者さんの表情と身体のわずかな動きを見ながら、丁寧に感覚を入れていく必要があります」
質問「気持ち良いだけでは治療にならないと思いますが・・・」
特者「動けない患者さんには心地良くなる動きを入れていきますし、多動な患者さんには支持面に身をもたれたくなるような感覚をいれていきます」
質問「徐々に変化させていくということですね」
特者「決まった手順はありませんので、その時その時の患者さんの反応から状態を読み取りながら治療を進めていきます」
質問「手順がない?」
特者「ありません」
質問「治療の目標は?」
特者「どの程度良くなるかは治療の進んでいきかたによって変わりますので、目標は設定できません」
質問「手順がなくてゴールも分らない治療ということですか?」
特者「患者さんにとってのモアベターを提供していくことで、患者さん自身が回復の可能性を見せてくれるような感じです」
質問「つかみ所がない印象ですが・・・・」
特者「モデルをやってみると分りやすいと思います」
質問「SKITを行う上で大切にしていることはありますか?」
特者「脳卒中やパ-キンソン病などの中枢神経疾患では『気づき』が重要になります」
質問「何かを気づかせていくということですね」
特者「療法士側が意図したものを気づかせるのではなく、患者自身が気づくということが必要です」
質問「ついつい口で教えてしまいがちですが・・・」
特者「『アハ体験』や『開眼する』といったものに近い感じですね」
質問「ますます難しい話になってきましたね」
特者「例えば左片麻痺で左を無視してしまうような症状がありますね」
質問「左半側無視とか左視空間失認とか呼ばれているものですね」
特者「ついつい見落としていることを口で教えてしまったり、さりげなく左の方向に注意を向けさせるようなことをしがちだと思いますが・・・」
質問「そうですね、そこにあるのに気づいていないのを見るとつい・・・」
特者「左を無視しているのではなく、注意が右に引っ張られていると考える」
質問「同じような意味だと思いますが」
特者「ちょっと説明が難しいのですが、まずは患者さんの脳活動を沈静化していくようにして、右に注意が絞り込まれている状態から解放していきます」
質問「確かに難しい話ですね」
特者「脳の活動全体を鎮めていく感じです」
質問「リセットする感じですね」
特者「脳の活動を沈静化していくのが治療の前半で、脳の活動がアイドリング状態にあるときに左側からの感覚情報を丁寧に入れていく」
質問「丁寧とはゆっくりということですか?」
特者「患者さんの表情や身体のわずかな反応から、感覚を脳が受け取れていることを確認しながら行うということです」
質問「やっぱり難しい話だ」
特者「簡単なことではないけど、プロとしてはやらないといけないことだと思っています」
随時、体験を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
