インタビューシリーズの第三弾になります。
特別施術者にインタビューをしてみました ~パーキンソン病臨床編~
特別施術者にインタビューをしてみました ~小脳性運動失調臨床編①~
今回は特別施術のSKIT(スキット)について質問してみました。
特別施術者:特者
質問「小脳運動失調患者に対してSKITが効果的な理由を教えてください」
特者「SKITは皮膚感覚と運動感覚を同時に与える方法ですが、小脳運動失調に対する治療法として開発したものです」
質問「それは初耳です」
特者「小脳の障害により運動制御のメカニズムが正常に働かなくなってしまっている状態を正常化するために複合感覚を利用するのです」
質問「2つの感覚を同時に与えれば良いのですか?」
特者「徒手的に与えた運動のフィードバックとして、運動感覚と同時に皮膚感覚を入れるようにする必要があります」
質問「う~ん、ちょっと分かりづらいですね・・・」
特者「関節や筋肉などからの動いている感覚と支持面の上を皮膚が滑っていく感覚を、一つの運動の結果として結びつけるということです」
質問「分ったような、分らないような・・・」
特者「パーキンソン病に対するSKITとはちょっと違いますが・・・」
質問「パ-キンソン病に対するSKITでは、どんな感覚を入れるのでしょうか?」
特者「パ-キンソン病に対しては、筋強剛と言われる運動に対する固定反応を気づかせるように感覚を入れていきます」 ※(筋強剛は,受動的な四肢の運動において可動域の全体にわたって抵抗が増大すること)
質問「難しそうですね」
特者「肘関節を例に説明すると、肘を曲げようとすると肘を伸ばす筋の緊張が邪魔をするんですね」
質問「筋強剛ですね」
特者「他動的に肘を曲げるように力を入れて肘の伸筋の筋強剛を一時的に強めます」
質問「強めるんじゃ、逆効果では?」
特者「ところが、この時反対の肘の屈筋の強剛が実は弱まっているんですね」
質問「初耳ですね」
特者「肘を曲げる動きを瞬時に伸ばす動きに切り替えると、肘が伸びていきます」
質問「でも、途中で止まりますよね」
特者「伸びていきますが途中で屈筋の強剛が出てきて運動は止まります」
質問「ジ・エンドですね」
特者「いえいえ、止まったところで今度は伸ばす方向に力を入れて屈筋の筋強剛を強めます」
質問「今度は逆ですか?」
特者「同じように反対の伸筋の強剛が弱まりますので、今度は屈曲方向に運動を切り替えます」
質問「同じことの繰り返しをするんですか?」
特者「徐々に両方の強剛が弱まっていき、運動範囲が増えていきます」
質問「増えるんですか?」
特者「増やしていくための重要な要素として運動の感覚に加えて皮膚感覚を入れていく必要があります」
質問「皮膚感覚も入れると良い反応に繋がると?」
特者「その通り」
SKITは徒手的に複合的な運動感覚を身体に与えていくことで症状の改善を図り、運動機能の改善を図ることができます。
